青い星と青虫と
「さっき会った魔族は王族を食べると言いました。
だから産んで増やせと言いました。
きっとこれからそういうことを言って襲ってくる者があると思うんです。
私、3人が来てくれなかったら何もできなかった。
王族の非常用の力も発動しなかったの。
たぶん、圧倒的な力を持った敵にはどうしようもないということなんだわ。
それに私はもうルナドルート人の16才で王女の資質は備わっています。
たぶん・・・。
紫音さん、今夜、私を王宮の寝室へ連れていってください。」
「今夜って、その気になったのならもう陽も暮れるからこれから行けばいい。
準備などは王宮に出入りできる妖精がいるから問題ないだろう。
さぁ・・・」
紫音が小夜の手を掴もうとしたときだった。
パン!!
「触るな!小夜さんと王宮には行かせない。」
「阿狼さん、もうやめて。
お母様の命令はもう終わりよ。だってもういないんですもの。
私はこれから私の夫となる人に守ってもらいます。
いえ、守られるんじゃなくて、私が力を与えなくてはいけないんです。
私の役目を果たさせて!」
「では、姫が私に新たな命令をしてください。
ぐだぐだ細かいことを言ってないで、私のものになれと。」
「えっ。だって・・・だって阿狼さん。
私のこと避けていたんじゃ・・・。」
「ええ。避けていました・・・小夜さんのことを頭の中から消したくてルナドルートにはびこっている化け物をひたすら殺しまくって、アパートにもどるときには姫の配下として冷静にもどるつもりでした。
けれど、あなたの決意とそれにこたえるのが紫音だなんて我慢なりません。
私がずっと大切にしてきたものは誰にも渡せない。
渡さない!
王妃様のご命令は確かに終わりだ。
姫から命令してください。
私はどうすればいいですか?
とくになければ、紫音と戦います。」