everlasting love~幾星霜の果て


ヒメミコ様の死が民に知らされたその日の夜。




「タスク、一緒に逃げよう」




人目を忍んで、奴婢だけが住まう集落にやって来たカヤは開口一番にそう言った。




「……カヤ、逃げようって……」


「昼間の一件で、ヒメミコ様が殺されてしまったの」


「……殺された? ヒメミコ様は病で……」


「ちがう……。巫女でありながらこの国に災いをもたらしたって……。民たちには病だと言っているけれど本当は……」




真っ青になりながら、カヤは懸命に説明する。




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