everlasting love~幾星霜の果て


カヤはそっと僕の右手を握り、そして手のひらにあるアザを見つめる。

カヤの瞳からこぼれ落ちた涙が、僕の手のひらを濡らした。




「……ちゃんと見つけてね。わたしもあなたを見つけるから」




僕は少しでも悲しみを癒そうと、カヤの柔らかい髪をそっと撫でながら笑う。




「きっと、僕が先に君を見つけるよ」




笑う僕につられて、カヤもまた涙をこぼしながら笑った。





やがて、ヒメミコ様を埋葬する塚と、奴婢を殉葬するための墓が完成した。

日の出とともに始まる儀式。

主祭殿の露台には王族がずらりと立ち並び、その中央に立っていたのが巫女装束に身を包むカヤだった。



ヒメミコ様の後を継いだ、若き新女王。




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