everlasting love~幾星霜の果て


「……なに?」




俺が尋ねると、蜂谷は口角を引きつらせながら言う。




「……最近あんたがおとなしいから、調子が狂っただけ」


「……別に、普通だけど」


「そう? いつもだったら、何かにつけて絡んでくるじゃない。黙ってプリント手渡すなんてめずらしい」




それは蜂谷にとって最大の嫌味なんだろうけど、俺にとっては何のダメージもないし、むしろ話ができて嬉しいくらいだ。


でも今は、あの“立花 律”とかいう転校生のことで頭がいっぱいで、いつもの調子が出ない。

きっと今の俺は、ひどく素っ気無くて、表情のない顔をしていると思う。




< 107 / 555 >

この作品をシェア

pagetop