everlasting love~幾星霜の果て
大好きな蜂谷を前にして、小さな溜息が勝手にこぼれた。
それを聞き逃さなかった蜂谷はあっという間に機嫌が悪くなる。
「なにその溜息。……ムカつく」
蜂谷は吐き捨てるように言うと勢いよく踵を返し、英語の課題回収を再開した。
窓の外を見れば、相変わらず鬱陶しい天気だ。
どんよりとした雲が余計に気分を重くさせる。
“――……タスク”
俺のことをそう呼んだ立花律の声がしつこく耳に残っている。
彼女が“タスク”という名前を知っていたからって、カヤの生まれ変わりであるとは限らない。
ひょっとしたら、“あの頃”の俺を知っている別の誰かかもしれないし。
だけど、胸のあたりがずっと重苦しくて落ち着かない。