everlasting love~幾星霜の果て


こうやって悶々と考え込むよりも本人に訊いたほうが早い。

俺が重い腰を上げたのは、それから1週間後のことだった。




「――瑠衣?」




昼休みの始まりを知らせるチャイムが鳴ると同時に教室を出ると、慶太が呼び止めた。




「どっか行くのか?」




俺と慶太は、45分間の昼休みを雨が降っているとき以外は必ず屋上で過ごす。

晴天のこの日、手ぶらで何も言わずに屋上とは反対の方向に向かう俺を見て、慶太はきょとんとしていた。

慶太の手には弁当と漫画。いつものスタイルだ。




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