everlasting love~幾星霜の果て


教室から出てきた立花は開口一番にそう言った。




「……ここじゃ話せないから、場所を変えよう」




言って、俺は立花と一緒に人気のない体育館裏に移動した。




体育館の裏に規則正しく植えられている、数本の大きなセンダンの木。

照りつける太陽を避けるように、僕と立花はセンダンの木の陰に立つ。




「……“おまえは誰なんだ?”。そう訊きたいんでしょう?」




まるでからかうかのように、立花はクスクスと笑う。

立花の正体を知らない俺にとっては一大事なのに、彼女にとってはそんな俺の様子がどうやら面白いらしい。




「立花、おまえ……」


「“律”でいいわよ。本当なら……」




しばらく言葉を溜めてから、彼女……律は、はっきりと言った。




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