everlasting love~幾星霜の果て


「本当なら、“カヤ”と呼んでほしいところだけど」


「―――っ」




……俺は、カヤとの再会をずっと待ち望んでいた。


高校で出会った蜂谷麻友という1人の女子が、カヤの生まれ変わりだと直感で分かった。

蜂谷に記憶がなくても、手のひらにある俺と同じアザが決定的な証拠だ。




それなのに――……




「ね? これが証拠よ」




自らがカヤだと名乗り出た律もまた、右の手のひらに俺と同じアザを持っている。

誇らしげにかざされた手のひらのアザを見て、俺の心の何かがガラガラと音を立てて崩れた。




「……嘘だろ……」




そう呟く俺の声は、完全に震えていた。




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