everlasting love~幾星霜の果て


「タスク……。まだ信じられないの?」




俺が不信感を抱くことを予想していたのだろうか。

律はひどく落ち着き払った態度で、淡々と話し始める。




「ヒメミコ様が亡くなったとき、目の前で埋められるあなたを見て、ほんとうに辛かったわ」




俺の最期を知っているからと言って、律がカヤとは限らない。

カヤだけがそれを見ていたわけじゃない。

王族だけに限らず兵や一般の民衆、多くの人々も奴婢たちの最期を見たのだから。




「……そうだな」




平常心を装いながら、俺は、律がカヤではない証拠を探ろうとする。




「ヒメミコ様が病で亡くなるなんて思いもしなかったよ」




< 113 / 555 >

この作品をシェア

pagetop