everlasting love~幾星霜の果て
「タスク……。まだ信じられないの?」
俺が不信感を抱くことを予想していたのだろうか。
律はひどく落ち着き払った態度で、淡々と話し始める。
「ヒメミコ様が亡くなったとき、目の前で埋められるあなたを見て、ほんとうに辛かったわ」
俺の最期を知っているからと言って、律がカヤとは限らない。
カヤだけがそれを見ていたわけじゃない。
王族だけに限らず兵や一般の民衆、多くの人々も奴婢たちの最期を見たのだから。
「……そうだな」
平常心を装いながら、俺は、律がカヤではない証拠を探ろうとする。
「ヒメミコ様が病で亡くなるなんて思いもしなかったよ」