everlasting love~幾星霜の果て
「どうしたの?」と、笹倉さんは嬉しそうに駆け寄ってくる。
「クラスで使うペンキを取りに……」
窓辺にズラリと並ぶペンキの缶を見渡した先で、視線が止まった。
視線の先にいたのは、まだ前の学校の制服を着ている律だった。
「……あれ、知り合い?」
無言のまま見つめあう俺と律に気づいた笹倉さんは、小さな声で訊く。
「いや、まぁ……」
「呼んであげようか?」
「や、いい」
間髪入れずに断ると、お節介者の慶太が大きく手を振りながら律を呼んだ。
慶太に呼ばれた律は躊躇した様子で、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。