everlasting love~幾星霜の果て
「これ……、どっかの田舎町か? いや、違うなー。なんか昔すぎるっつーか……」
小麦色をベースとした絵画。
キャンバスに描かれていたのは、一見、片田舎の風景にも見える。
風に揺れる稲穂。
温かみのある太陽。
ずっと奥のほうに見えるのは……主祭殿。
俺とカヤが最初に出会った、あの風景だ。
「笹倉先輩、できれば他の絵を……。この絵はあんまり……」
苦笑いしながら言う律に、笹倉さんは「まだあるのよ」なんて言いながら慶太を巻き込んで探し始めた。