everlasting love~幾星霜の果て


「……やっぱり先生はすごいわ」




第4楽章を弾き終えたあと、ヴェラは感嘆の溜息をこぼしながら言った。




「じゃあ、教えてくれるね?」




ニッと笑った僕に、ヴェラはほんの少し照れたように言った。




「……パリ音楽院に入りたいの」


「……えっ?」




はっきり聞こえていたのに、思わず、訊き返してしまった。




「だからね? パリ音楽院」




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