everlasting love~幾星霜の果て


「パリ……音楽院?」


「そう。大好きなこの曲で試験を受けるの。パリ音楽院は憧れだわ」




うっとりした表情で夢を語る君に対して、僕は絶望の淵に立たされたような気分だった。





ヴェラの家を出てから、僕はすぐ近くの豪邸へと足を踏み入れた。

この家の1人娘・マティルダも僕の教え子の1人だった。




「先生、わたし、パリ音楽院に受かるかしら」




あまりにもタイムリーな話題に、僕は一瞬、言葉が詰まった。




「……先生?」


「……あ、あぁ。君なら大丈夫だ」




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