everlasting love~幾星霜の果て
「どうしたの? 明日の準備で忙しいんじゃないの?」
眉をひそめながら俺の顔色を伺う律に、単刀直入に言った。
「今日の俺の演奏、どうだった?」
一度は落ち着いた胸の鼓動が、再び加速し始める。
律のクラスに行くまでのあいだに頭のなかで妄想していたシーンが現実になるように、と必死に願う。
「――あぁ……、あの曲……」
今もなお俺の頭のなかで繰り広げられる妄想は、律の重い口調で、がらり、と音を立てて少しだけ崩れた。
「あの曲……、ちょっときつかったな」
苦笑する律に、妄想のかけらがまた、がらり、と崩れる。