everlasting love~幾星霜の果て
――なんて皮肉なんだろう。
蜂谷がカヤであることを願ってあの曲を弾いたのに、こんな結果が待っていたなんて。
「瑠衣。戻ったほうがいいんじゃないの? 明日の準備で忙しいんでしょう?」
気遣うように律は言いながら、俺の手をそっと解放した。
律と別れて家庭科室に戻る足取りは、ひどく重かった。
やっぱり、律がカヤなのか――……
これまでカヤは、生まれ変わるたびに俺のことを覚えていなかった。
“タスク”と、本当の名を呼んでほしい、気づいてほしいと、何度も願い続けてきた。
それが叶ったというのに、言いようのない絶望感が俺をおそう。