everlasting love~幾星霜の果て
「花火? 昨年はそんなのなかったよな」
「なんでも、今年の生徒会長の親戚が花火師らしくてさ。お願いしたみたいだぞ」
……てことは、タダで打ち上げ花火なのか?
ふと、現実的なことを考えてしまう。
「みんな、そろそろ動くんじゃねぇの? 好きなヤツとっ捕まえて、“一緒に花火見ませんか?”って」
ねぎまを頬張りながら、慶太はやけくそ気味に言った。
「そりゃ盛り上がるだろうな」
笑いながら、俺もまた砂ずりを頬張る。
たっぷりとかけられた塩コショウが喉を刺激し、軽くむせてしまう。
お茶を飲もうとペットボトルを手にしたとき、屋上のドアがガチャリ、と遠慮がちに開いた。