everlasting love~幾星霜の果て
蜂谷は上履きのまま踵を返し、何事もなかったかのように帰ろうとする。
目の前に向けられたその小さな背中は、強くもあり、そして頼りなく感じた。
「ちょっ……」
引き止めるようにして後ろから抱きすくめると、蜂谷の両肩がびくりと大きく跳ねた。
背負い投げされるかも、と一瞬思ったけれど、俺のことを嫌う蜂谷は冷静に、ぴしゃりと言い放つ。
「……5秒数え終わるまでに離さないと、みぞおちに肘鉄喰らわせるよ?」
言って、蜂谷は俺のみぞおちに軽くひじをあてる。
「5」
「蜂谷」
「4」
「俺が犯人探し出してやる」
俺の言葉に、蜂谷のカウントが止まった。