everlasting love~幾星霜の果て

2人のカヤ



蜂谷は、なんて肝っ玉の据わったヤツなんだろう。

正体不明の敵からダメージを受けても堂々としている。



後夜祭の日から半月が経った。

人目を忍んで毎日のように「何もされていないか?」と蜂谷に声をかけるのだけれど。




「調子に乗らないでね、小林くん」




なんて、胸が痛むような言葉しか返ってこなかった。




俺は俺で、近づいてくる女子たちがみんな犯人に思えて心中おだやかではない。




「瑠衣先輩、クッキー焼いたので食べてください」

「瑠衣ー、一緒に帰ろうよー」




声をかけられるたびに、おまえか? おまえだろ? なんて疑心暗鬼になってしまう。



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