everlasting love~幾星霜の果て


2年生全クラスのホームルームが終わり、しんと静まり返るのを自分のクラスで待つ。


その間、教室に残っている俺を見つけた女子が数人、「一緒に帰らない?」と誘いに来たけれど、いつものように丁重にお断りした。




そして、ようやく校舎全体が静寂に包まれた。

まず靴箱に行って上履きを脱ぎ、靴箱に入れてある靴と入れ替える。

靴が入ったままだと犯人も行動し辛いだろう。


靴下のまま校舎に戻ると、革靴とバッグを抱え、周囲をうかがう。

誰もいないのを見計らって、教室のすぐ隣にある階段の踊り場を通り抜け、男子トイレへと滑り込んだ。



あとは、じっと待つのみ。


自分のクラスの近くに、こんなにいい隠れ場所があるなんて。

これなら簡単に犯人を捕まえられるだろう。



少しでも物音がしたらすぐに出て行けるように、トイレの出入り口にいちばん近い個室に身を潜める。



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