everlasting love~幾星霜の果て


「………?」




個室に入る直前、いつもと違うトイレの様子に違和感を感じた。



……隣の個室、ドアが閉まってた……よな?



常に開けっ放しになっているはずなのに、隣の個室だけが閉まっていた。

誰か入ってるのか?

いや、それにしても物音ひとつしない。

それに、トイレ用のスリッパがひとつ足りないような気がする。




まさか、幽……



想像する前に思い切り首を振って消し去る。

ご丁寧にトイレ用のスリッパを履く幽霊なんかいるわけがない。




個室をそっと出て隣の個室のドアを見る。

トイレが壊れた、とかなら“使用禁止”の貼り紙があるはずだが、なんにも貼られていない。


犯人探しが先なのに、どうにもこの個室が気になる。



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