everlasting love~幾星霜の果て


縄を確認するふりをして、君の右の手のひらを覗き込んだ。




「………っ」




僕と同じアザ。


やっぱり、君なんだ――……



どんなに懐かしい記憶が蘇っても、

このアザさえなければ“まったくの他人だ”と言い聞かせることもできたのに。




「ハンス、首に縄を」


「………」




父さんに言われて僕は無言で頷き、縄を君の首にかけた。




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