everlasting love~幾星霜の果て


「ぐぅっ……」




もがき苦しむ声がこぼれた。

縄を引っ張る僕の両手にかかる重み。

それは、君の命の重みだ。




「うぅ……っ」




パチパチと燃えさかる業火の音。

そして、君の苦しむ声。



僕は、今にもすべり落ちそうな涙を1滴たりともこぼさないように、下唇を思い切り噛み締めた。


君の命を絶たせるこの縄を、放そうとも思った。



でも。


これは、“温情”なんだ。



業火に包まれてしまうよりも先に、

僕たちの手で絶命させたほうが、幾分、苦しまなくて済む。



< 236 / 555 >

この作品をシェア

pagetop