everlasting love~幾星霜の果て
すべてが完璧だったのに。
“最強の切り札”が、それを狂わせる――……
「ねぇ、どうしたのよ。急におとなしくなっちゃって」
黙りこくったまま階段を下りる俺に、蜂谷が気遣うような態度を見せた。
「……小林くん?」
呼ばれた途端にあふれ出した感情は、どこに向けていいのか分からない。
歩く足を止める。
俺に手を握られたままの蜂谷も、同じように止まる。
「……どうしたのよ?」
すべての感情を吐き出せたら、どんなにラクだろう。
いまの俺を受け止められるのは、カヤしかいないのに。