everlasting love~幾星霜の果て
「……なんでもない」
それだけしか言えず、俺は蜂谷の手を取って再び歩き始めた。
家に帰り着いて晩ごはんを食べたあと、自分の部屋のクローゼットを引っかきまわした。
中から次々と放り出される、きれいに包装された包みの山。
女子たちからのプレゼントだ。
寒くなってから手編みのものを貰う回数が増えた。
セーターだの手袋だのニット帽だの。
それにまぎれて、当たり前のようにマフラーもあった。
未開封のままだった包みを、この時になってようやく開ける。
そして、最初に目にしたマフラーを手に取った。
また、酷いことをしようとしている。
でも、絶対に認めたくないんだ――……