everlasting love~幾星霜の果て


「瑠衣の靴がまだあったから、ひょっとして教室にいるかな~って思って……」




“瑠衣”なんて馴れ馴れしく呼ぶけれど、俺は彼女の名前すら知らなかったし、特に知りたいとも思わなかった。




「ね、一緒に帰ろ?」


「あー……、悪いけど、ちょっと用事あるから」




一緒に帰ろう、と誘われるのは彼女が初めてじゃない。

日替わりでいろんな子から誘われる。

俺がいつも1人で帰ることを知っているくせに。

毎日のように誘われても、絶対に首を縦に振らないことを知っているくせに。

彼女たちは毎日飽きもせずに俺を誘う。




< 26 / 555 >

この作品をシェア

pagetop