everlasting love~幾星霜の果て
「……瑠衣?」
先生に渡された、蜂谷の家の住所が書かれたメモを見ながら靴箱に向かう途中。
後ろから声をかけてきたのは律だった。
「いま帰り?」
気まずそうな顔をしながら、律はこちらに向かって歩いてくる。
「……あぁ」
俺もまた気まずくて、顔の筋肉が引きつるのを感じる。
「一緒に帰らない?」
「あー、悪い。ちょっと用事があるから」
蜂谷の家に行く、なんて言えるはずがない。