everlasting love~幾星霜の果て
まわりを見渡せば、みんな俯いてケータイと睨めっこ。
だからこそ、この世界の本当の美しさに気づかない。
「しょうがないわね」
呆れたように笑いながら、律はノートの切れ端に自分の番号を書いて手渡した。
先生のメモを頼りに蜂谷の家を目指す。
距離的に学校から蜂谷の家まで、歩いて15分程度……といったところか。
蜂谷……、絶対に会ってくれないだろうな。
でも、倉田とのことは俺が原因なのだから、もう一度ちゃんと謝りたい。
学校では蜂谷と話すことさえもできなくなったのだから。
それよりも、磯辺のやつが見舞いに来ていないといいんだけど……。
あいつがいたら、俺が蜂谷の家に来た理由がなくなってしまう。