everlasting love~幾星霜の果て


「……ここか」




蜂谷の家は、閑静な住宅街の一角にあった。

庭先には、控えめに飾られたイルミネーションの電飾が見える。



磯辺がいませんように。

蜂谷が会ってくれますように。



そう願いながら玄関のチャイムを押した。




『……はい』


「あの、麻友さんと同じクラスの小林といいます。成績表とプリントを届けに来たんですけど……」



お母さん……かな?

声が篭っていて、相手が女性であることしか分からない。


しばしの沈黙のあと、「はぁ」という面倒くさそうな溜息が聞こえてきた。




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