everlasting love~幾星霜の果て


「さっき、磯辺と一緒に帰ったじゃん」


「……だから。あたしがここで何をしているのか、どうしてあんたに説明しないといけないわけよ」




ふん、と勢いよくそっぽを向く蜂谷に、俺の隣にいる女子が小さく舌打ちをし「何その態度」と低い声でボソリと呟いた。




静かな放課後の校舎。

彼女の舌打ちと呟きは普通に蜂谷の耳に届いていて、蜂谷は彼女をじろりと睨んだ。




「ね、行こうよ瑠衣~」




射抜くような蜂谷の視線に怯んだのか、彼女は俺の制服の袖をぐい、と引っ張る。

でも、約束した靴箱はすぐ目の前だ。




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