everlasting love~幾星霜の果て
時折、ヒコミコがヒメミコ様の代理として民衆に神託を告げることもあった。
霊力もないくせに、威張りくさって一国の王を気取る姿には吐き気がした。
いつだったか、カヤが言っていた。
ヒコミコが次の王にしてほしいと、ヒメミコ様に直訴した、と。
するとヒメミコ様は、「愚か者め」と一喝したそうだ。
カヤと2人、その話で笑い合ったのを今でも覚えている。
「で? ヒコミコは何かしでかしたのか?」
「……えぇ。わたしから王の座を奪おうとしたけれど、失敗に終わったのよ。で、永久に追放したわ」
「……君が?」
「そうよ」
にっこりと笑った律につられて、俺もまた笑う。
もうずいぶんと昔のことなのに、ついこないだ起きた出来事のような錯覚に陥った。