everlasting love~幾星霜の果て


しばしの沈黙のあとに、律は小さな声で自分の正体を明かした。




「――わたしはイヨ。カヤ様に仕えていた侍女で、カヤ様亡きあと、あの国の女王になったわ」


「あ………」




その名を聞いて、記憶が蘇る。




“カヤ様、誰か来ます!”




俺とカヤが人目を忍んで会っていたとき、いつも見張りをしてくれた幼い侍女。

そして、歴史上にも名を残した、ヒメミコ様に次ぐ女王“イヨ”。



まさか、律がイヨだったなんて……



それならカヤは?

なぜカヤの名は歴史上から消えたんだ?


< 350 / 555 >

この作品をシェア

pagetop