everlasting love~幾星霜の果て
しばしの沈黙のあとに、律は小さな声で自分の正体を明かした。
「――わたしはイヨ。カヤ様に仕えていた侍女で、カヤ様亡きあと、あの国の女王になったわ」
「あ………」
その名を聞いて、記憶が蘇る。
“カヤ様、誰か来ます!”
俺とカヤが人目を忍んで会っていたとき、いつも見張りをしてくれた幼い侍女。
そして、歴史上にも名を残した、ヒメミコ様に次ぐ女王“イヨ”。
まさか、律がイヨだったなんて……
それならカヤは?
なぜカヤの名は歴史上から消えたんだ?