everlasting love~幾星霜の果て


「……奴婢たちも!?」




カヤ様が驚くのも無理はない。


一国の女王や領主が亡くなると、奴婢たちも一緒に殉葬されるのが慣例となっている。

だけどヒメミコ様は、そんな慣例をひどく嫌っていた。




“生きようとしている者の命は無理やりに奪ってはならぬ。望む者だけがともに旅立てばよい”――と。




だからこそ、自分が死んだときは決して慣例に従うな、と、言っていたのに。

それなのに、あっさりとその約束は破られてしまった。




「……誰が決めた?」




怒りに震えた声で訊くカヤ様に、わたしは再度、周囲を見回し、誰もいないことを確認してから言う。




「……ヒコミコ様です」




その名を口にすると、カヤ様は勢い良く立ち上がった。


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