everlasting love~幾星霜の果て
このときのカヤ様は、まだ正式な女王ではなく“次期女王”という立場だった。
だからこそ、ヒコミコ様の取り決めをねじ伏せることはできない。
ヒメミコ様が埋葬された日に、カヤ様は正式に女王となる。
その間は、ヒコミコ様が“代理”としてすべてを決めてしまうのだ。
「……カヤ様」
たとえ奴婢と言えども。
たとえ、女王のためとは言えども。
その命を、第3者が奪ってはならない。
ヒメミコ様の考えに、カヤ様も賛同していた。
だけど――……
それ以上にカヤ様は、“彼”を失いたくなかったのだ。