everlasting love~幾星霜の果て
「もう一度、ヒコミコ様のもとに行きましょう。説得すれば……」
「――もういい」
「カヤ様!」
悲しげなカヤ様の瞳に、心が痛んだ。
「それよりも、殯宮(もがりのみや)に行こう。最後にヒメミコ様のお顔が見たい」
静かに微笑みながらカヤ様は言う。
まるで、何かをあきらめたような表情に。
わたしは従うしかなかった。
カヤ様とともに再び主祭殿を抜け、ヒメミコ様の遺体が安置されている殯宮に向かう途中。
夜の闇に紛れて、ヒソヒソと人の話す声が聞こえてきた。