everlasting love~幾星霜の果て


わたしはてっきり、カヤ様がタスクとともにこの国から逃げるのだと思っていた。

しかしカヤ様は、泣きはらした顔で、たった1人でわたしのもとに戻ってきた。




「カヤ様?」




声をかけるわたしに、カヤ様は




「主祭殿に戻る」




と言ったきり、一言も口を利かなかった。




タスクと何があったのか。

知りたかったし、わたしに何かできることはないかと思っていたけれど。


憂いの表情を浮かべつつも、次期女王としての準備を淡々とこなすカヤ様を見ていたら、そんなこと訊けなかった。




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