everlasting love~幾星霜の果て


――それから数ヶ月後。

ヒメミコ様を埋葬する塚が完成した。


そして、新女王となったカヤ様が見守るなか、タスクは短い生涯を終えた。




愛する人を失ったカヤ様は、その晩、わたしにこう言った。




「――わたしは女王の器ではないな」




ヒメミコ様と奴婢たちが眠る塚を、主祭殿の露台から見つめながら、カヤ様は言葉を続ける。




「ヒメミコ様の親族でもあるおまえが女王になるべきだったのに」


「……そんな……。わたしはただ、親族というだけです。ヒメミコ様やカヤ様に比べたら霊力も劣るし……」




わたしこそ、女王の器ではない。



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