everlasting love~幾星霜の果て


「カヤ様! カヤ様!」




何度も名を呼びながら、からだを揺り起こす。

すっかり冷たくなったからだは、ぴくりとも動かなかった。




カヤ様の突然の死に、民たちもわたしたちも、ただただ驚くばかりだった。

ヒコミコ様の見解では、ヒメミコ様の死や初めて目の当たりにした奴婢たちの殉葬、次期女王としての重圧など、心労が祟ったのが原因だろう、と。



たった1日だけの女王。

その存在はヒコミコ様によって葬り去られてしまい、歴史に名を残すことさえなかった。




――……カヤ様亡きあと、国は混乱した。



次の女王を指名し、民たちにそれを告げるのが女王の務めでもあったのに、カヤ様は次の女王を指名することなく亡くなってしまったから。


ヒコミコ様は自分が先代の女王・ヒメミコ様の弟であることを盾に、自分こそが王であると宣言した。



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