everlasting love~幾星霜の果て
蜂谷の連絡先のメモを受け取った俺は、少し考えた。
いきなり俺が電話したら、蜂谷は用件も聞かずに切ってしまいそうだ。
俺が律からすべてを聞いたことを伝える間もなく。
「……律。おまえが先に、蜂谷に電話してくれるか? 俺がいきなり電話なんかしたら……」
「分かってるわ。わたしもそのつもりだったから」
クスクス笑いながら、律は「家に帰ったらすぐに電話するわ」と言ってくれた。
夏休みも残り4日で終わるこの日。
家に帰った俺は、残り4日を蜂谷と過ごそうと決めた。
一度は行くのを止めたあの地へ、今度こそは必ず行こうと準備を始める。
「えっ? やっぱり行くの!? じゃあ、母さんも、」
「……だから。空気読めって言ってるだろ」