everlasting love~幾星霜の果て
やがて、タスクがわたしのことを“カヤ”と呼ぶようになり、わたしたちの関係はどんどん密になってきた。
『今日の神託はヒコミコ様だったな』
『やめてよ、ヒコミコ“様”だなんて。吐き気がするわ。タスクだってそう思っているんでしょう?』
嫌悪感を露にしてタスクに言うけれど、彼は肯定も否定もせず、ただ笑うだけだ。
奴婢という立場だから、王族の陰口など決して許されない。
知られたら、本人はもちろん、家族までもが罰を受けることになる。
『なんであんなヤツが、』
『カヤ、ダメだよ。君はいずれこの国の女王になるんだから』
いつもわたしは、タスクに咎められる。
タスクの言うとおりだ。
次期女王が誰かの陰口を言うなんて、あるまじきこと。
毎回、反省するのだけれど、わたしはやっぱりヒコミコが大嫌いだった。