everlasting love~幾星霜の果て
ほんの僅かなあいだ、お互いの顔を見つめあったあと、蜂谷……“麻友”は、スッと立ち上がった。
「それにしても、ヒメミコ様は本当に用意周到だわ」
「………?」
「“最後の日”に備えたのか、あたしのお父さんがこの地に転勤になったり、ね?」
「……あぁ、確かにな。偶然にしては出来すぎているって思っていた」
クスクスと笑ったあと、麻友がまた言葉を発する。
「今度の朔の日はね、あたしの誕生日なのよ。“タスク”と最初に出会ったこの地で迎える18歳の誕生日。その意味までは分からないでしょう?」
「……18歳の誕生日……?」
「“カヤ”が死んだ年よ。しかもその日も、朔の日だったの」
――そっか。
すべての条件が揃った日が、俺たちの“最後”だったんだ。