everlasting love~幾星霜の果て


「朔の日……、俺たちどうなるんだろうな」




ぽつりと呟くと、麻友は小さくフッと笑ったあとに言葉を返す。




「……ヒメミコ様が言ってた」


「………?」


「“生きようとしている者の命は無理やりに奪ってはならぬ。望む者だけがともに旅立てばよい”」




確か――……


律が、自分はカヤではなくイヨだったという話をしてくれたとき。

ヒメミコ様のそんな言葉を聞いたような気がした。




「死んだりしない。あたしも瑠衣も」


「それならどうして、朔の日にわざわざここに来ないといけないんだ? 俺はてっきり……」



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