everlasting love~幾星霜の果て
「ねぇ、瑠衣。キスはお預けだけど、ぎゅーってしてくれる?」
「……は?」
突然の麻友の申し出に、思わず声が裏返った。
自分の耳を疑い、喉をごくりと鳴らしたあとに、確かめてみる。
「ぎゅーってして……って……」
「うん、ぎゅーっ! って」
「え、つか蜂谷……じゃない、麻友、おまえはそういうキャラじゃ、」
「いいから。ぎゅーって」
完全に動揺してしまっている俺とは対照的に、麻友はいたって冷静に言う。
構えている麻友を前に、心臓がドクドクと大げさな音を撒き散らし始める。
麻友を抱きしめるなんて、別にこれが初めてじゃないのに。
麻友のほうからストレートに言われると、異常なまでに緊張してしまう。