everlasting love~幾星霜の果て


“君はヒメミコ様の後を継いで、立派な女王になるんだ”




あのときの俺は、ためらうことなく、そう言い放った。

カヤとの別れと、自らの死を前にして。


きっと、あのときの俺は、なんの恐怖すらなかったんだと思う。

死にゆく自分がこの目で見ることのできない未来を、カヤに託したんだ。




「……あたしに、約束を守らせて。これまでの転生から解放されても、あたしは自分が犯した罪を忘れることなんてできない」




好きだから一緒にいたい、とか。

この平和な世界で共に生きよう、とか。



そんな言葉では引き止められないくらい、麻友の強い決心を感じた。




「ほんの少しのあいだ、離れるだけよ。瑠衣が精一杯生きてその役目を終えたとき、必ず迎えに来るから」



< 447 / 555 >

この作品をシェア

pagetop