everlasting love~幾星霜の果て


言いかけた俺の言葉をかき消すかのようにして、磯辺はさらに言った。




「おまえが姉上のもとに旅立つと言っても、姉上は許さないだろう」


「……ヒメミコ様は、“望む者だけがともに旅立てばよい”と、かつて言っていた」


「それは、“女王・ヒメミコのために”という意味だ。おまえは違うだろう? カヤのそばにいたいがために、それを望むのであろう?」




磯辺の言うとおりだ。

悪あがきをして、麻友と一緒にいたいがために嘘をついても見破られる。




「タスク。おまえはこの世界で生きろ。それは、カヤも望んだことであろう」




麻友も、磯辺も。

揃いも揃って同じことを俺に言う。



< 457 / 555 >

この作品をシェア

pagetop