everlasting love~幾星霜の果て
「………」
「あのとき、カヤ様は民たちよりもタスクを選んだ。それによって多くの民たちが命を落とした」
「………」
「カヤ様の世界は、あなただけを中心にまわっていないのよ。多くの民たちへの懺悔を中心にしてまわっているの」
――それが、女王としての責務……
あのころ奴婢だった俺は、カヤの立場をちゃんと分かっていた。
だからこそ、“一緒に逃げよう”と言ったカヤを突き放した。
それなのに今の俺は。
“蜂谷 麻友”として生まれ変わったカヤと、この平和な世界にすっかり染められていて。
彼女がいまだ、“民たちを見捨てた女王”としての苦悩に苛まれていることに目を背けていたんだ。