everlasting love~幾星霜の果て


「目を、閉じて?」


「えっ?」


「いいから、」




早く、と言った麻友の声と、「タスク」と呼ぶヒメミコ様の声が重なった。

律のときとは違う、ヒメミコ様の低い声。


たった、それだけで分かった。

俺は“カヤの転生に必要な道具”ではあったものの、何かの罪を犯したのだと。



耳ではヒメミコ様の声を聞き、

両方の瞼は、麻友に促されるがままに固く閉じられる。




『おまえは奴婢でありながら、次期女王でもあったカヤと逢瀬を重ねた。カヤを拒むこともできたであろうに』




――俺の罪は、カヤと愛し合ってしまったこと。


それがカヤにとって最大の禁忌であることを知っていたのに、俺は自分の気持ちを抑えることができなかった。



< 491 / 555 >

この作品をシェア

pagetop