everlasting love~幾星霜の果て


毎日、毎日。

朝も昼も夜も、カヤのことばかりを考えていた。

一緒にいられるわずかな時間が、たまらなく幸せだった。




『身分の差を越えて人を愛することは自由だ。しかし、その気持ちが結果として混乱を招いてしまったのも事実』




いくらだって、カヤを突き放すことはできたはずなのに。

結局あの頃の俺は、カヤの立場よりも、彼女を愛しく思う自分の気持ちを最優先させていたんだ。




「瑠衣」




聞き慣れた麻友の声が、耳に滑り込む。

目を閉じたままの俺には、いま、麻友がどんな表情をしているのかなんて分からない。




「………っ……」



< 492 / 555 >

この作品をシェア

pagetop