everlasting love~幾星霜の果て
俺の視線の先には背の高い男子が1人、立ち止まって桜の木をぼんやりと眺めていた。
――それが瑠衣、おまえだった。
……変なヤツだな。
男のくせして、桜の木に見入ってるなんて。
とにかく俺のなかでの第一印象は、“変なヤツ”だった瑠衣。
けれど、穏やかな表情で桜を見るその横顔があまりにも絵になっていて、俺は視線を奪われた。
「……苦しいんなら外せばいいじゃん」
そばを通り過ぎるとき、瑠衣がそう言って俺のほうを振り返った。
こいつ、やっぱり変なヤツだ。
ずっと桜だけを見ていたくせに、俺が詰襟を息苦しく感じていることに気づくなんて。