everlasting love~幾星霜の果て


いったい何の因果か、詰襟のことで言葉を交わした変わり者と俺は、同じクラスになってしまった。


瑠衣が教室に入った瞬間に、女子たちの視線が一斉に向けられる。

みんな、うっとりとしたような顔をして溜息をつく。


数ヶ月まで小学生だったとは思えない、端整な顔立ちにスラリとした長身。

そりゃ女どもは夢中になるわな、と、少しだけ俺は嫉妬してしまった。




「あれ? おまえ、さっき校門のところで……」




同じクラスに俺を見つけた瑠衣は、嬉しそうに話しかけてきた。

瑠衣が動くたびに、女子たちの視線もそれに合わせて動く。




「あぁ、同じクラス……みたいだな」




たぶん、このときの俺は、ものすごく愛想が悪かったと思う。

作り笑いの1つもできないほどに、顔の筋肉がまったく反応しなかった。




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