everlasting love~幾星霜の果て


N県の和泉市……、遺跡……。

2つのキーワードがぐるぐると頭を駆け巡る。

同時に、何も言わずに突然姿を消した瑠衣の心境が俺には理解できない。



絶対に無理だと思っていた恋が実って、幸せの真っ只中にいたはずなのに。

どうして、こんなことに――……





「………?」




頭を抱えながら自分の部屋に戻る途中で、俺はふと、足を止めた。




「……誰だったっけ……」




ふと、瑠衣が夢中で追いかけていたヤツのことを思い出す。

瑠衣をひどく嫌っていた、彼氏もちのヤツ……




「………」




“あいつはやめとけ”って俺が瑠衣に言ったくらいなんだから、当然そいつのことを知っているはずなのに。




……なぜだか顔と名前が思い出せない。



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